こんにちは!ジャズ選管理人のカトーです!
ヤマハのデジタルサックス、YDS-120を手に入れて毎日練習を楽しんでいるあなた。でも、しばらく吹いているうちに「もっとここがこうだったらいいのに」って感じる瞬間、ありませんか?
例えば、上位機種のようにマウスピース交換をして本格的な吹き心地にしたいとか、ベル後付けで見た目をサックスらしくカッコよくしたいとか、長時間の練習用にストラップを取り付けたいなとか。
他にも、スマホの伴奏と一緒に吹くためのBluetooth機能がないからレシーバーを使えないかと考えたり、PC接続での録音やアンプ接続時の出力音はどうなるのかといった機材周りの悩みもあると思います。
さらには、マンションでも思い切り吹くための効果的な静音対策、コンセントがない場所でのモバイルバッテリー駆動のやり方、そして自分専用の指使いに運指表をカスタムする方法など、気になることは本当に尽きないですよね。
この記事では、そんなYDS-120の改造やカスタマイズに関するあらゆる疑問について、僕なりの視点で徹底的に深掘りしていきます!
YDS-120の改造方法と具体的なメリット

YDS-120を買ってみたものの、やっぱり上位機種のYDS-150みたいに重厚感を出したり、使い勝手を向上させたりしたいなって思うこと、ありますよね。
約6万円というエントリーモデルだからこそ省かれている機能を、ちょっとした工夫やアイテムの追加で自分好みに仕上げていく。ここでは、そんな具体的なカスタマイズのアプローチと、それによって得られるメリットについてお話ししますね。
ベル後付けによる外装ドレスアップ

YDS-120と上位機種のYDS-150を見比べたとき、一番わかりやすい違いが「ベル」の存在です。YDS-150には本物のサックスのような真鍮製のベルが付いていますが、YDS-120はコストダウンのためにプラスチック製のストレートで短い、いわゆるパイプのようなシンプルな形状になっています。
これ、軽くて扱いやすいというメリットはあるんですが、ステージで吹いたり、部屋に飾ったりするときに「サックスを吹いている!」という気分の盛り上がりにちょっと欠けるんですよね。そこで界隈で流行っているのが、3Dプリンターで作られたベルの後付けカスタムです。
例えば、国内のフリマアプリなんかを探すと様々なクリエイターが、YDS-120の先端に取り付けるための精巧な外装改造キットを受注生産で作ってくれていたりします。純正の樹脂ベルを取り外して、専用のアダプターを介して新しいベルをパコッとはめ込む仕組みですね。

ただ、注意してほしいポイントもあります。3Dプリントでよく使われるPLAという樹脂素材は、製法上どうしても表面に「積層痕」という細かい筋が入ります。ツルツルの光沢仕上げにしたいなら、模型用の研磨材なんかを使って自分で削って磨くという、なかなかのDIY精神が必要になってきます。熱にも弱いので、真夏の車内に放置するのは厳禁ですよ。
サードパーティ製のベルを付けても、YDS-150のようにアコースティックな共鳴が劇的に増幅されたり、電子音の音質そのものが良くなるわけではありません。あくまで「見た目のドレスアップ」と割り切って楽しむのが正解です。
専用アダプターでのストラップ装着
YDS-120は本体重量が810gとかなり軽く作られています。とはいえ、長時間両手で支えながら演奏していると、特に右手の親指(サムフック)にはかなりの負担がかかってきますよね。
普通のサックスなら首から下げるネックストラップを使うんですが、YDS-120にはストラップを引っ掛ける金属製のリングが完全に省略されています。これもコストダウンの影響ですね。ストラップがないと楽器が前後左右に揺れやすくなって、特に左手のオクターブキーや、右手のピッチベンドを操作する時に、指先がブレて繊細なコントロールができなくなってしまいます。意外と深刻なこの問題。
でも安心してください。本体に無理やり穴を開けるような危険な改造をしなくても、解決策はあります!
管楽器アクセサリーの定番、B.AIR社からYDS-120専用のストラップアダプター(型番:BS-WS-ADP-Y120)という素晴らしいアイテムが発売されています。

ひも状の特殊なアダプターを、YDS-120本体の外装のくぼみに沿って直接縛り付けるように固定します。金属フックを使わないので本体に傷がつく心配もありません。
これを装着して「BIRD STRAP」などのネックストラップと組み合わせれば、首への負担も減り、楽器がピタッと安定します。フィンガリングのしやすさが劇的に変わるので、これはもう全YDS-120ユーザーにおすすめしたい必須級のカスタマイズかなと思います。
ただし、アダプターの緩みには要注意です。演奏前には必ず結び目がしっかり固定されているか確認してくださいね。万が一落下したら、樹脂製の本体はひとたまりもありませんから!
レシーバーを用いた擬似Bluetooth化

YDS-120ユーザーから一番よく聞く不満、それが「Bluetooth機能がないこと」です。
スマホからお気に入りの曲を流しながら、それに合わせてサックスを吹く。上位機種のYDS-150ならBluetooth Audioで簡単にできるこのセッション環境が、YDS-120だと有線ケーブル(AUX IN端子)でしかできないんですよね。今のスマホってイヤホンジャックがないモデルばかりだから、有線で繋ぐだけでも一苦労です。
そこで僕がおすすめしたいのが、市販のBluetoothオーディオレシーバーを使った「擬似ワイヤレス化」です。
やり方はとってもシンプル。Ankerなどのメーカーから出ている、2,000円〜3,000円程度の安価なBluetoothオーディオレシーバーを買ってきて、YDS-120の「AUX IN」端子に直接挿すだけです。
たったこれだけの工夫で、本体を分解することもなく、高額な投資もなしに、YDS-150の特権だったワイヤレスセッション環境が作れちゃうんです。最高に費用対効果が高いハックですよ。
PC接続やアンプ接続時の出力音は?
家での練習から一歩進んで、PCで録音したり、外部のアンプに繋いで大きな音を出したいと思ったとき、YDS-120の接続仕様はどうなっているのか気になりますよね。
まず、外部のスピーカーやアンプに接続する場合。YDS-120には専用の「LINE OUT」端子はありません。なので、ヘッドホンを挿すための「PHONES端子(3.5mmステレオミニジャック)」から、オーディオケーブルを使ってアンプに入力することになります。この時の出力音は、ヘッドホンで聴いているのと同じ、内蔵の高品質なサンプリング音源です。設定次第でリバーブなどのエフェクトもしっかり乗った音が出力されます。
次にPC接続についてです。YDS-120の底面には「Micro USB Type-B端子」があります。ここからUSBケーブルでPCと繋ぐことで、YDS-120をMIDIコントローラーとして使うことができます。
| 接続目的 | 使用する端子 | 必要なケーブル・機材 | 出力されるデータ |
|---|---|---|---|
| アンプ・スピーカー | PHONES端子 | 3.5mmステレオミニ → 標準プラグ等のオーディオケーブル | オーディオ信号(楽器の音) |
| PC(DAWソフト等) | Micro USB端子 | データ通信対応のMicro USBケーブル | MIDIデータ(演奏情報のみ) |
PC接続時の注意点として、USBケーブル経由で送られるのは「どのキイを、どれくらいの息の強さで押したか」というMIDIデータだけで、オーディオの音そのものは送られません。PC側のDAWソフト(音楽制作ソフト)に入っているソフトウェア音源を鳴らす形になります。
最近はMicro USBのケーブル自体があまり見かけなくなってきましたが、必ず「データ通信対応」のものを選んでくださいね。充電専用ケーブルだとPCが認識してくれません。
モバイルバッテリー駆動と低電流モード
YDS-120は単4電池4本で動くので、ケーブルレスで自由に吹き歩けるのが魅力です。でも、デジタル楽器って結構電気を食うんですよね。ヘッドホンを使って大きい音で練習していると、新品のアルカリ乾電池を入れても数時間から、長くても2日くらいしか持たないんです。
毎回電池を変えるのはお財布にも環境にも優しくないので、USB給電で動かしたい。コンセントがない場所ならモバイルバッテリーを使いたい、と思うのは自然な流れです。でもここで、多くのユーザーがハマる落とし穴があります。
モバイルバッテリーを繋いで電源を入れたのに、数秒で電源が落ちてしまう!
これ、楽器の故障じゃないんです。原因はモバイルバッテリー側の「オートパワーオフ機能」にあります。
YDS-120はものすごく省電力に作られていて、消費電力がわずか4.5W、消費電流は80mA以下しかありません(出典:ヤマハ株式会社『YDS-120 仕様』)。一般的なスマホ用のモバイルバッテリーは、接続された機器の電流が小さすぎると「お、充電終わったな」と勘違いして、安全のために自動で電気の供給をストップしてしまうんです。
解決策:低電流モード搭載バッテリーを選ぶ
この問題を解決するには、「低電流モード(微小電流モード)」という機能が付いたモバイルバッテリーを使うしかありません。ワイヤレスイヤホンなどを充電するためのモードで、手動でこのモードに切り替えることで、微小な電流でも出力を止めずにキープしてくれます。

出力電圧が4.8V〜5.2V、出力電流が1.0A以上の規格に合うもので、低電流モード付きのものを選ぶ。これが長時間のモバイル駆動を安定させる最大のコツですよ。
運指表にない独自の指使いへカスタム

ハードウェアをいじらなくても、ソフトウェアの力を借りて楽器を「内部改造」できるのがデジタルサックスの醍醐味です。
ヤマハ公式のスマホアプリ「YDS Controller」を使えば、有線接続(OTGケーブル等が必要)の手間はかかりますが、信じられないくらい自由なカスタマイズができちゃいます。
一番面白いのが、運指(フィンガリング)の完全カスタマイズです。

アコースティックサックスだと、物理的な穴(トーンホール)が開閉する仕組み上、指使いは決まっています。でもYDS-120なら、すべての運指を自分勝手にプログラムできるんです。
例えば、「この曲のここのフレーズ、どうしても指が回らない!」という時に、自分が押しやすい全く別のキイの組み合わせを「その音」として登録できます。超高音域のフラジオや、特殊なトリルの指使いなど、本来の運指表には存在しない自分専用の指使いを無制限に追加できるんです。
さらに、息を吹き込んだ時の「抵抗感」や音の立ち上がり、サムコントローラー(右手の親指部分)へのピッチベンドやビブラートの割り当てまで、プレイヤーの癖に合わせて細かく調整できます。
ドライバーを使って本体を分解するくらいなら、まずはこのアプリを使い倒して、自分のプレイに完璧にフィットするソフトウェア上の改造を楽しむのが、圧倒的におすすめです。
YDS-120の改造に潜むリスクと注意点

ここまで、YDS-120をより楽しく、便利に使うためのカスタマイズ方法をお伝えしてきました。でも、デジタル楽器に対する物理的な改造には、絶対に越えてはいけない「レッドライン」が存在します。良かれと思ってやったことが、取り返しのつかない故障につながることも。ここからは、絶対に知っておくべきリスクについて、少し厳しい目線で解説します。
マウスピース流用は可能?専用品が無難な理由

YDS-120はサックス未経験者でも音が出しやすいように、リードがないリコーダーのような特殊な専用マウスピースを採用しています。でも、サックス経験者からすると、「咥えた感じが違う」「タンギングに違和感がある」ということで、市販のアコースティックサックス用マウスピースや、YDS-150のリード付きマウスピースを流用できないかと考える人は多いですよね。
結論から言うと、他社製や上位機種のマウスピースを流用すること自体は、不可能ではありません。サイズの合うものを探したり、工夫すれば取り付けることはできるかも。
でも、僕としてはやっぱり専用マウスピースを使った方が無難だなと思います。
というのも、YDS-120は普通のサックスと違ってネックにコルクが巻かれているわけではなく、ゴム製の「Oリング」に被せて密閉する独自の構造。指定外のマウスピースを無理に挿し込むと、抜けなくなってしまったり、本体側の樹脂パーツを傷めるリスクがどうしても伴います。
デジタル楽器の場合、マウスピースの形を変えたところで、アコースティックサックスのように音色や響きが物理的に変わるわけではありません。息の強さをセンサーが感知してデジタル処理しているだけなので、わざわざリスクを負ってまで流用する効果は実はないんです。
なので、別のマウスピースを移植するメリットは正直ないかなと思います。素直に付属の専用マウスピースを使うのが一番安心ですし、もし劣化したらYDS-120専用の交換パーツ(約1,700円程度)を買い直すのがベストですよ。Oリングには定期的にコルクグリスを塗ってメンテナンスしてあげるのも忘れずに!
関連記事:YDS-120のマウスピースを交換!互換性や手入れ方法を解説
分解や外装変更によるメーカー保証喪失

先ほど「ベルの後付け」のお話をしましたが、これも実行するなら大きな覚悟が必要です。
YDS-120の取扱説明書には「本製品を分解したり改造したりしない」と強く警告されています(出典:ヤマハ株式会社『YDS-120 取扱説明書』)。つまり、純正のベルをドライバーなどで取り外して別のパーツを付ける行為は、その時点でメーカー保証の対象外になる可能性が極めて高いということです。まさに自己責任の世界。
デジタル管楽器の中身は精密な電子基板と配線の塊です。素人が分解して元に戻せなくなったり、静電気で基板をショートさせたりした場合、ユーザー自身で修理できる部品は入っていません。修理に出したとしても、改造の痕跡があれば高額な修理費用が全額自己負担になることを忘れないでください。
誤った静音対策によるキイの故障

YDS-120の最大の魅力は、マンションでも夜間でもヘッドホンで練習できる「静音性」です。音源からの音は完全にミュートできます。
でも、楽器を操作する時の物理的な「カタカタ音(キーノイズ)」はどうしても消せません。プラスチックのキイが沈み込んでストッパーに当たる構造上、激しい曲を吹けば吹くほど、部屋中にカタカタという打鍵音が響きます。これが気になって、静音対策をしようとする人がいます。
ネット上には「本体を分解して、キイの裏側にフェルトやシリコンのクッションを詰めれば静かになる」なんていう改造情報があったりしますが、これは絶対にやってはいけない危険な改造です。
YDSのキイの真下には、音の切り替えを判定するデリケートな「内部センサースイッチ」が配置されています。ここに異物を挟んだりしてタッチを極端に軽くしてしまうと、センサーが正しく反応しなくなり、音が出なかったり遅れたりする不具合が出ます。逆に、ノイズを出さないように変な力を込めて押しすぎると、センサースイッチ自体が物理的に潰れてしまい、二度と直らない故障に繋がります。
正しい対策は「タッチの習得」
キーノイズを減らす一番の対策は、改造することではありません。「しっかりと、でも過剰な力を持たずに押し込む」という正確なキイタッチの感覚を身につけることです。これが最も安全で、結果的に演奏技術の向上にも繋がります。
YDS-120の改造はリスクが高くおすすめしない
いろいろとお話ししてきましたが、最終的な僕の結論としては、YDS-120に対する物理的な改造はリスクが高すぎるためおすすめしません。
約6万円という価格で、アコースティックサックスと同じ運指で練習ができる素晴らしい楽器です。その機能制限を補うために、専用のストラップアダプターを使ったり、Bluetoothレシーバーを繋いだり、アプリで設定を追い込んだりする「外付けの工夫」や「ソフトウェアのカスタマイズ」は存分に楽しむべきだと思います。
でも、マウスピースを他社製に替えようとしたり、本体を分解してベルを交換したり、キイの中に緩衝材を詰めたりするような物理的な改造は、楽器そのものの寿命を縮め、メーカー保証も失う結果になりますからね。
